「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ

11月倒産38%増 20カ月連続増加 建設業と物流業が苦境に

東京商工リサーチのまとめによると、11月の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は前年同月比38%増の807件に上った。増加は20カ月連続。人手不足と物価高が企業収益を圧迫しており、とりわけ建設業と物流業の苦境が顕著だ。人手不足倒産は過去最多のペースで増え続けている。

第一工業製薬 リチウムイオン電池用難燃新素材を開発

第一工業製薬はリチウムイオン電池を燃えにくくする新素材を開発したと発表した。これは家電製品などの絶縁用に使うウレタン樹脂を発泡させたもので、電池のセルの間に充填して使用する。一部のセル損傷して発火した場合に他のセルに燃え広がるのを防ぐとしている。外部の検査機関で電池セル同士で火が燃え広がるのを防ぐ効果が確認できているという。電気自動車(EV)や電化製品への活用を見込んでいる。

経産省 東芝とロームのパワー半導体共同生産に1,294億円補助

経済産業省は12月8日、電気自動車(EV)などに使われ需要が増大しているるパワー半導体の共同生産を計画している東芝とロームに対し、最大1,294億円補助すると発表した。両社が投じる総事業費は3,883億円で、経産省は国内でのパワー半導体の安定確保、供給につなげる。
東芝は石川県能美市で新工場の建設を進めているほか、ロームは宮崎県岡富町で稼働予定の新工場で炭化ケイ素(SiC)を使った次世代パワー半導体を生産する予定。

日本調剤 ドローン・地上配送ロボ連携による個宅配送実証に協力

全国47都道府県で調剤薬局を展開する日本調剤(本社:東京都千代田区)は12月7日、ダイヤサービス(本社:千葉市)を実施主体とした共同企業体が実施する千葉市におけるドローンと地上配送ロボットが連携して医薬品をマンション個宅まで運ぶ実証実験の実施に協力すると発表した。これは国土交通省の補助事業「無人航空機等を活用したラストワンマイルの配送実証事業の一環。
報道機関向け公開実験日は12月20日、12時〜13時30分(予備日、12月22日)。実証場所は幕張ベイパーククロスタワー&レジデンス(マンション内外)および若葉3丁目公園。千葉市のドローン宅配構想として、東京湾臨海部の物流倉庫から幕張新都心まで東京湾上空飛行を行い、海上から花見川を遡上し、若葉住宅地区のマンション個宅の玄関前まで配送することを目指している。

コスモ石油 タイのバンチャック社とSAF輸入で合意書を締結

コスモ石油(本社:東京都港区)は12月6日、タイのBangchak Corporation Public Company Limited(本社:バンコク市、以下、バンチャック社)との間で、5日にバンチャック社がコスモ石油へ持続可能な航空燃料(SAF)の輸入に関するフレーム合意書を締結したと発表した。
バンチャック社は2022年9月にタイ初となるSAF製造の事業計画を公表。首都バンコクの製油所で廃食用油を原料とする日量生産能力1,000KLのSAF製造プラントを建設し、2024年末ごろから商業生産開始を予定している。そのSAFについて、商業生産開始から10年間にわたり生産量の一部をコスモ石油に輸出する。
コスモ石油は、2030年のSAF供給量の目標として年間30万KLを目指しており、調達ソースの多角化の手段としてバンチャック社の生産品の一部を輸入する。

スズキ インド・グジャラート工場で累計生産300万台達成

スズキは12月6日、インドにおける四輪生産会社スズキ・モーター・グジャラート社(以下、SMG、工場所在地:グジャラート州ハンサルプール)が4日に累計生産300万台を達成したと発表した。SMGは2017年2月に生産を開始し、6年11カ月での達成となった。これはスズキの生産拠点としては最速。300万台目のモデルは「フロンクス」だった。SMGの生産能力は年間75万台。

関西エアポート 23年4〜9月期 4年ぶりで最終黒字 旅客数8割回復

関西、大阪(伊丹)、神戸の関西3空港を運営する関西エアポートの2023年4〜9月期の連結決算は、最終損益が52億円の黒字(前年同期は128億円の赤字)だった。4〜9月期としては4年ぶりに黒字転換した。新型コロナウイルス禍の収束で複便、増便が進み、関西空港では国際線の旅客数と発着回数がコロナ前の2019年同期比で約7割の水準に回復した。
売上高にあたる売上収益は前年同期比で約2.1倍の854億円だった。3空港の合計旅客数は約2倍の2,098万人に増え、2019年同期比で約8割の水準まで回復した。

IATA 世界航空大手23年の損益 コロナ後 初の最終黒字へ

世界の航空大手企業が加盟する国際航空運送協会(IATA)のまとめによると、2023年の航空大手の最終損益が233億ドル(約3兆4,000億円)の黒字となる見通しだ。2022年は38億ドルの赤字だった。黒字化は新型コロナウイルス禍後、初めて。渡航制限の解除で、アジア便が回復したことが主要因の一つ。

コスモスイニシア 越ホーチミンで分譲住宅開発事業に参入

大和ハウスグループのコスモスイニシア(本社:東京都港区)は12月6日、ベトナム・ホーチミンエリアの分譲住宅開発事業に参画するため、ベトナム現地不動産デベロッパー、TT Capital Investment Joint Stock Companyおよび、日本発祥のグローバル不動産会社を目指して2020年に設立されたKoterasu Partners Pte.Ltd.との戦略的パートナーシップを組成し、同パートナーシップのもとホーチミン市近郊のビンズオン省ディーアン市に第1号物件を取得したと発表した。同物件の総戸数は約2,000戸。敷地面積約1.6ha。ユニットタイプ:1LDK、2LDK、3LDK。2024年第2四半期に着工開始し、同第3四半期に販売開始の予定。
今後は同パートナーシップを通じて、ホーチミン市郊外エリアで中間所得層向けに年間1,000〜2,000戸のより良質な住宅の提供を目指す。

KDDI 国内初 基地局に「曲がる太陽電池」24年2月から実証実験

KDDI(本社:東京都千代田区)は12月6日、KDDI総合研究所(所在地:埼玉県ふじみ野市)、エネコートテクノロジーズ(所在地:京都府久世郡久御山町)とともに、国内で初めて薄くて曲がる次世代太陽電池、ペロブスカイト太陽電池を基地局に設置する実証実験を始めると発表した。2024年2月から最大1年間、群馬県大泉町で実施する。太陽電池を設置しづらい電柱型の基地局にポールを付けて巻き付ける。実証実験はペロブスカイト型、CIGS型の2種類の次世代太陽電池を使う。発電効率や耐久性を確かめ、曲がる太陽電池を使った省エネ基地局の全国展開を目指す。